教室で実施中の臨床研究

    

課 題名: 病理組織画像と人工知能を用いた頭頸部疾患の臨床的細分類の検討


研究代表者: 森井英一(病理診断科・教授)

  
 頭頸部領域には、悪性腫瘍や感染症、炎症・アレルギー性疾患などの多彩な疾患が発生します。 これらのうち悪性腫瘍など多くの疾患では、確定診断に病理組織診断が重要な役割を果たしており、現在は病理専門医による病理組織の評価が 行われています。一方で、近年の画像解析技術や人工知能分野の進歩により、これらの技術を用いた疾患の診断や評価が期待されています。そ こで本研究では、頭頸部領域の疾患を対象として、その病理組織画像と診療記録・情報を用いて、人工知能による病理組織画像の解析方法を検 討し、画像解析から得られる新たな情報により、新たな頭頸部疾患の新たな臨床的細分類を提示することを目標としています。
 
 
1.研究の対象
 2010年1月以降に大阪大学医学部附属病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科を受診し、病理組織診断が行われた成年患者から採取された病理組織 標本を対象とします。
 
2.研究目的・方法
①大阪大学医学部附属病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科の診療で作製された病理組織標本から画像データを取得し、また同一の患者さんの診療記録 から、臨床検査結果などの診療情報を取得します。これらの情報については、匿名化により特定の個人を識別できないようにします。匿名化さ れた上記データの一部を用いて、人工知能による病理組織画像分類モデルを構築します。別のデータを用いて分類モデルの有用性を検証しま す。分類モデルの構築過程で示唆された分子生物学的な機序を確認するために、残余検体を用いた免疫組織染色を行うこともあります。この工 程を繰り返し実施し、病理組織画像データから診療情報を良好に予測できる分類モデルの構築を行います。
 
3.研究に用いる試料・情報の種類
1.に記載された病理組織標本を試料として用います。また病理組織診断結果や血液検査結果、治療後再発の有無や再発までの期間など、診療 記録の記載内容を情報として用います。

4.外部への試料・情報の提供
外部への試料・情報の提供は予定しておりません。
 
5.研究組織
大阪大学 大学院医学系研究科 / 医学部附属病院(研究責任者:森井英一)

6.研究期間
研究機関の長の実施許可日~2028年3月31日

7.お問い合わせ先
 本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。
ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますの でお申出下さい。
また、試料・情報が当該研究に用いられることについて患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としま せんので、下記の 連絡先までお申出ください。その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません。

照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:
  研究責任者 森井 英一
大阪大学 大学院医学系研究科 病態病理学
〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-2
電話:06-6879-3711, FAX:06-6879-3719
メールアドレス morii●molpath.med.osaka-u.ac.jp (●を@に変えてください。)