教室で実施中の臨床研究

    

課 題名: 病理組織画像と人工知能を用いた消化器疾患の臨床的

            細 分類の検討


研究代表者: 森井 英一 (病理診断科・教授)
 

 
 胃腸などの消化管や肝臓、胆嚢、膵臓などの腹部臓器(消化器)には、悪性腫瘍や感染症、炎症性疾患などの多彩な疾患が生じ ます。またこれらの疾患の確定診断には病理組織診断が重要な役割を果たし、現在は病理専門医による診断が行われています。一方で、近年の 画像解析技術や人 工知能分野の進歩により、これらの技術を用いた疾患の診断や評価が期待されています。そこで本研究では、消化器疾患を対象として、その病 理組織画像と診療 記録・情報を用いて、人工知能による病理組織画像の解析方法を検討し、画像解析から得られる新たな情報により、新たな消化器疾患の分類を 提示することを目 的としています。
 
 
1.研究の対象
 大阪大学医学部附属病院消化器外科または消化器内科を受診し、病理組織診断が行われた成年患者から採取された病理組織標本を対象としま す。
 
2.研究目的・方法
① 大阪大学医学部附属病院消化器外科または消化器内科の診療で作製された病理組織標本から画像データを取得し、また同一の患者さんの診療記 録から、臨床検査 結果などの診療情報を取得します。これらの情報については、後述の方法で匿名化し、特定の個人を識別できないようにします。匿名化された 上記データの一部 を用いて、人工知能による病理組織画像分類モデルを構築します。別のデータを用いて分類モデルの有用性を検証します。この工程を繰り返し 実施し、病理組織 画像データから診療情報を良好に予測できる分類モデルの構築を行います。また、分類モデルの構築過程で示唆された分子生物学的な機序を確 認する際には、残余検体を用いた免疫組織染色を行います。この免疫組織染色の画像データについても人工知能による組織画像の解析を行うと ともに、分類モデルの構築にも使用することがあります。
 
3.研究に用いる試料・情報の種類
1.に記載された病理組織標本を試料として用います。また診療記録の記載内容を情報として用います。

4.外部への試料・情報の提供
 分類モデルの構築及び検証は、大阪大学で行う他、データの一部を大阪労災病院に提供して行います。このため、大阪労災病院に資料を提供 します。資料の供与については、下記の方法で匿名化し、特定の個人を識別できないようにします。

方 法: 研究対象者のデータや検体から氏名等の特定の個人を識別することができることとなる記述等を削り、代わりに新しく符号又は番号をつけて匿 名化を行います。 匿名化を行う研究対象者とこの符号(番号)を結びつける対応表は大阪大学で作成し、個人情報管理者が外部の漏れないように厳重に保管しま す。
 
5.研究組織
大阪大学 大学院医学系研究科 / 医学部附属病院 病理診断科(研究責任者:森井英一)
  
6.お問い合わせ先
 本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。
ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますの でお申出下さい。
また、試料・情報が当該研究に用いられることについて患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としま せんので、下記の 連絡先までお申出ください。その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません。
 
 
照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:
  研究責任者 森井 英一
大阪大学 大学院医学系研究科 病態病理学
〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-2
電話:06-6879-3711, FAX:06-6879-3719
メールアドレス morii●molpath.med.osaka-u.ac.jp (●を@に変えてください。)